@ 骨粗鬆症とはどんな病気ですか?
骨粗鬆症とは、「主に年を取る事などにより骨が弱くなってきて、骨折を起こしやすくなる状態」といえます。誰でも、年をとると自然に骨が弱くなります。ただ、その人の生活習慣、遺伝的な背景、既往症などによっては通常より早く骨が弱くなっていきます。
そうした場合は、早めに骨を強くするような手だてを講じる事により、将来の骨折が起きにくくする事ができるのです。

A どうして年を取ると骨が弱くなるのですか?
ひとつには、皮膚にしわができたり、筋肉が衰えるのと同様で、ただ加齢によるとしかいえない部分もあります。
女性の場合は、閉経後に女性ホルモンの血中濃度が下がり、それにともなって破骨細胞(はこつさいぼう:骨の新陳代謝のうち、古い骨を食べていく役割をはたす細胞)の勢いが高まり、どんどん骨が食われ、骨芽細胞(こつがさいぼう:新しく骨をつくる細胞)が新しい骨を作っても間に合わない状態になり、徐々に骨が減っていきます。これが、閉経期骨粗鬆症です。
70代、80代の方も、破骨細胞と骨芽細胞のバランスが悪いために骨が弱くなる事がほとんどです。

B どんな検査をするのですか?
レントゲン検査、骨密度検査、骨代謝マーカー検査(血液と尿の検査です)です。
レントゲン検査では、脊椎(胸椎、腰椎、つまり背中から腰にかけての背骨です)と骨盤の写真をとります。全体の背骨の形、骨の強さ、圧迫骨折の有無、変形性脊椎症の様子を見ます。
骨密度検査は、腰椎と股関節の骨密度を測定します。どちらも実際に骨折の多い場所です。DEXA(デキサ:弱いレントゲンで骨のカルシウムの密度を測定します)といわれる検査の機械を使いますが、これは骨粗鬆症の測定の基準となる検査方法です。
骨代謝マーカーは、骨吸収マーカー(破骨細胞が骨を溶かしていく速さの指標です)と骨形成マーカー(骨芽細胞が骨を造っていく速さの指標です)があり、血液や尿の検査でわかります。結果が出るまでに約1週間かかります。
骨密度で現在の骨の様子をみて、骨代謝マーカーで今後どれくらい減っていくかをみることになります。

C どんな薬がありますか?
カルシウム剤
カルシウムが不足していると骨が弱くなります。食事からのカルシウムが少ない場合に、錠剤や粉末のカルシウムを補います。ただ、多くカルシウムを摂ったからといって骨が強くなるわけではありません。あくまでも不足分の補給です。
過剰に摂取しても、尿から排泄され問題はありません。ただ尿管結石のできやすい方は控えめの方がいいです。
ビタミンD
ビタミンDは、身体の中でも作られます。日光の紫外線が皮膚にあたると、皮膚でビタミンDの前駆体ができます。その後、肝臓と腎臓で活性ビタミンDに変わります。活性ビタミンDは、口から摂ったカルシウムの腸からの取り込みを促進します。
あまり外出しない方、日光に当たることが少ない方は、薬としてビタミンDを飲むと特によいでしょう。
カルシウム剤と一緒に多量に飲んでいると高カルシウム血症になることがあります。
ビスフォスフォネート
大変よく効く骨吸収抑制剤です。つまり、破骨細胞の機能を弱めて骨が食われていくのを防ぎます。半年で5%から10%骨が強くなることもよくあります。薬の成分が、骨にくっついて骨が溶けるのを防ぐので、本来カルシウムに結合しやすく、食後などに飲むと食事中のカルシウムとくっついて身体に取り込まれません。ですので、朝起きてすぐ飲む、というのがこの薬の飲み方です。
ラロキシフェン
これは女性ホルモンの類似薬です。女性の場合の閉経後の骨粗鬆症は、女性ホルモンの低下によるものです。こうした場合に女性ホルモンを骨粗鬆症として用いることはよく行われていました。ただ、女性ホルモン長期服用は乳がんや子宮がんの発生率を増やすことも知られています。そこで、骨には効くけれど、乳がんや子宮がんを増やさない、という便利な薬がラロキシフェンです。ほかに、コレステロールを下げたりと良い作用がおまけについています。
D どういう運動がいいのですか?
運動をすると二つの効果で骨が強くなります。
ひとつは、じっとしている時よりも運動しているときの方が骨にかかる力が大きくなる事です。もうひとつは、筋肉は骨についているので、筋肉に力がはいることで骨をひっぱり、結果的に骨に力がかかって骨を強くします。
大きな運動負荷の方が、骨には良いといわれています。逆にいうと、のんびりゆっくり歩いているだけでは骨は強くなりません。ウォーキングの時も、早足で「スタスタ」と歩いてください。できれば30分ないし40分くらい「スタスタ」歩いてください。
また、背筋をきたえると腰椎が丈夫になります。うつぶせになって、両手を腰にあて、首はあまりそらさないで胸を浮かせるように状態をそらして5秒間。これを10回から20回続けてください。歩けない方も、足踏みや背伸びを何かにつかまってしてみてください。
筋力を強くすることで、転倒予防にもなります。

E 次の診察からはどのようなことをしますか?
最初の外来から、通常2週間後に来ていただいて、骨密度や骨代謝マーカーの検査結果をお話しします。その結果、必要に応じて骨を強くする薬を処方します。
その後、2週から4週ごとに様子をお伺いしながら診ていきます。
落ち着いてきたら、最長3ヶ月まで処方をする事ができます。
そして、定期的な骨の検査を必要に応じて、6ヶ月または1年ごとに続けていく事になります。検査結果により、薬を続けるかどうかを決めていきます。

F 食事で気をつける事は?
カルシウムが不足しないようにすることは重要です。
日本人の平均カルシウム摂取量は、1日500〜600mgと言われています。骨粗鬆症が心配な方は、1日800から1000mg摂るとよいでしょう。牛乳でカルシウムを摂ることを考えると、牛乳100mlには、カルシウム100mgが含まれます。
したがって、あとカルシウムを400mg増やすためには、牛乳を400ml、つまり大きめのコップに2杯の牛乳を飲むとよいことになります。その他、ヨーグルト、チーズでもいいですし、小魚、小松菜にもたくさんはいっています。
納豆に多いビタミンK、干ししいたけ(生しいたけは少ないのですが)にはビタミンDが多く含まれています。
あと、重要なことは十分な栄養をとることです。骨は、コラーゲンなどのたんぱく質にカルシウムが沈着したものです。高たんぱく、低脂肪食を心がけてください。
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